仕事がら、死亡記事や亡くなった人の情報を日々耳にしますが、10代の人の「いじめ自殺」や、今年の「女性の自殺増加」というニュースを聞くと、何とか助けられないだろうかとその度に思います。
これまで女性の自殺者は、男性よりも少なかったのです。
ママ友など仕事以外のつながりが多く、井戸端会議で悩みを打ち明ける、体験を共有するなど、ストレスを減らす方法がありました。ところが今年はコロナ禍で対話ができず、訪問して見守ることも難しく、孤立して自殺に追い込まれてしまうのだそうです。
一方で、中・高生の自殺対策には、新しい方法が開発されています。
RAMPS(子どもの自殺リスクを見つける評価システム)で、スマホやタブレット端末で質問に回答してもらうと、心身の不調が可視化され、教職員や保護者と危機感を共有できるのだそうです。
「いのちの電話」などのサポートもあります。少しでも助けになればと願うばかりです。
伊藤嘉章
亡くなったとされる日から2週間ほど経過して、同業者から訃報が来ました。
思い返せば、故人(享年59歳)から3か月ほど前に電話をもらった際、「入院していたそうだね」と言うと彼は「もう大丈夫だ」と強がっていました。
これが最後の会話だったことを知らされると、とてもつらい気持ちになりました。
訃報を受けた後、ひと呼吸おいてから故人の奥さんに電話しました。「差し支えなければ、お参りさせてほしい」と伝えると「コロナ禍でもあり、お気持ちはうれしいが遠慮したい」ということで、この電話で弔問が終わってしまいました。
故人は、ギフト販売店の社長であり、三重県ギフト小売業協会で「屋外啓蒙看板」の制作に携わったメンバーなのです。
伊藤嘉章
音楽関係の仕事のため私が、事故現場に近い東池袋4丁目の安アパートに住んでいたのは1985年でした。
母・子が亡くなり9人が負傷した池袋暴走事故は、昨年の4月19日に起こりました。
この日開かれた裁判では、加害者が罪を認めなかったことに批判が殺到しました。
一方で、家族の苦しみに目を向けると、2005年に犯罪被害者等基本法が施行されたことで、家族を奪われ、絶望のどん底にいる被害者家族への支援が少しは進んだそうです。
その裏で、この池袋事故を含めて加害者家族は、誹謗中傷・偏見・差別にさらされて人権が守られず、9割の人が自殺を考えると言うのです。
加害者家族も、被害者家族と同じように守る必要があるのではないでしょうか。
伊藤嘉章